歩くことが大好きなSさんは53歳の女性です。長時間歩くと膝に痛みが生じることがお悩みでした。この記事では、Sさんが膝の痛みを気にせず、楽しく歩けるようになった理学療法士監修の手作りインソールの紹介をします。
手作りインソールを作ることになったきっかけ
Sさんは高齢のお母様と2人暮らし。2年前にお父様をがんで亡くされました。お母様に元気で長生きして欲しいという想いから、毎晩、近所をお散歩するそうです。おしゃべりしながらの散歩は楽しく、時には1時間になることも。すると、右の膝が痛くなって不快感を覚えるようになりました。
Sさんはここ5年ほど筋肉トレーニングをされていて、全般的なからだの調子はかなり良くなられました。Sさんの弱点として足指の弱さがあります。長年、ハイヒールを履いてお仕事されてきたので、足指が縮こまっています。足指じゃんけんやタオルギャザーなどの運動も苦手です。
足指の弱さから、膝に負担がかかる歩き方になっていました。そこで、足指の弱さをカバーした歩き方ができる様にインソールを作ることをおススメしました。
手作りインソールのメリット
インソールには既製品もあれば、手作りものものあります。手作りインソールのメリットとして下記のことがあります。
①個人合ったフィット感
使用頻度の一番高い靴に合わせて作ります。立っているとき、歩いているときの足の裏の使い方をじっくりと評価して、足りない部分を補います。一つ一つをはさみでカットした小さなパーツをインソールに貼っていきます。出来上がったインソールは足裏に気持ちよくフィットします。
取り外しが可能で、洗うこともできます。
②アフターケアが万全
インソールを着けて歩くようになると、足裏の筋肉バランスがよい方向に変わってくることがあります。定期的に見直し、修正することで、からだのラクさを維持できるようになります。
作ってくれる人について
手作りインソールを依頼しているのは、理学療法士のO先生です。O先生は理学療法士として10年間、総合病院であらゆる年代の運動麻痺や肩こり、腰痛の患者様のリハビリテーションを担当されてきました。
その後、ピラティスを学び、健康と美容の知識を深め、10000人以上の方の健康や美容に携わってきました。
先生のお兄様は重度の障害があり、少しでも助けになりたくて、中学生の頃には理学療法士になることを決めていたそうです。現場経験10年以上あり、様々な疾患のリハビリに従事しました。
「足先(足指や足裏)を変えることで、からだはすごく良くなります。」というお考えから、足先について学びを深めてこられました。インソール作りはは5年前から取り組まれ、これまで作った数は300足。
インソールだけを作る靴職人とは違うのは、足先だけでなく、体全体のバランス評価ができることにあります。左右差や前後のブレを的確に判断できます。足の形や、お客様の感覚だけに頼らないところがとても信頼できます。
手作りインソールの料金は22,000円(税込)で都内であれば、希望の場所まで道具を持って出張してきてくださいます。
インソールの制作工程
①インソールを作る前に立った状態で姿勢を見ます。
Sさんには後ろで手を組んでもらいます。O先生が組んだ手の中心を押します。このとき、組んだ手が離れてしまうとからだのバランスが崩れた立ち方をしています。重心が真ん中からずれています。この時のSさんは手が離れてしまいました。
②次に、歩いてもらいます。
歩きのクセを見ることによって、インソールでどの部分を補うかを見極めます。Sさんの場合は、右の小指側に体重を乗せて歩くクセがありました。膝の痛みにもつながっているようでした。インソールで足の真ん中に体重がかかるようにする必要がありました。
③足裏を触診します。足裏を触ることでどの筋肉が硬くなりすぎて、どこの筋肉が使われていないか?を確認します。これも足裏の筋肉の構造を熟知していないとできないことです。
④インソールの型を足にあてて、フィット感を見ます。
⑤立ち姿勢、歩き姿勢、足裏の触診の情報を元に、補正をしていきます。
フェルト生地のようなもので丸を作って、インソールの裏に貼っていきます。幾つか貼ったら、足に当てて足りない筋肉のカバーができているかを見ます。この工程を5~6回繰り返します。
補強が終わったら、インソール全体を覆うように合皮のカバーをかけます。
こちらが出来上がったインソールです。小さな丸が配置されています。お一人お一人に合わせてあるので、丸の配置はみんな違います。
⑥靴にいれてフィット感を確認します。
立ち上がって重心が真ん中に乗っているか精査します。このときのSさんの第一声は「体が軽い!」でした。正しく立てるとからだは軽く感じます。インソールがSさんの足りない筋肉をカバーしてくれた証明でもあります。
Sさんの感覚だけでなく、O先生のプロ目線のチェックもはいります。足先だけでなく、体全体の姿勢をみます。
⑦履き心地を検証
インソールを入れた靴で立つと足裏が均等に床につくことがわかります。重心が真ん中で安定するので、背筋もすっと伸びます。Sさんの膝の負担も減って「あれ?膝が痛くない!」と驚いておられました。
最初の重心チェックでも組んだ手が離れることはありませんでした。歩いてもらっても膝の痛みを感じることなく軽快に歩いておられました。
自分に合ったインソールのはき心地に慣れると、何もない靴を履けなくなります。それほど、ラクなのです。
おススメのコメントも多数
Sさん以外にもインソールを作られた方にインタビューをさせていただきました。
Q1.インソールを作る前はどんな状態でしたか?
外反母趾があって、靴に当たって痛く、靴選びが大変でした。
坂道を歩くと、足首が痛くなって、どうしたらいいのか不安でした。
偏平足で足裏がすぐに疲れていました。
小指がうまく使えなくて、たくさん歩くと外脛が痛くなります。
以前、別のところで作ったインソールが合わなくなって、もう一度足の状態をみて作ってみようと思いました。
Q2. インソールを使ってみていかがですか?
長時間歩いても疲れなくなりました。
こんなに快適なら、もっと早く作ったらよかったです。
もう、インソールなしで靴を履けないくらいラクです。
以前のインソールとは全然違います。細かく調整してもらったので、安心して履けます。
まとめ
手作りインソールを作ってくれるのは、理学療法士でもあるO先生で、足先だけでなく、立ち姿勢、ある姿勢、からだ全体のバランスをみて作ります。
制作工程はすべて手作りできめ細かいです。出来上がったインソールを着けると、からだがとても軽く感じ、Sさんの場合は、膝の痛みも気にならないほどでした。
Sさんは「足裏が変わるだけで、こんなに歩くのが楽になるんですね!膝も痛くないから、また母とたくさん歩いて親孝行できます!」と喜んでおられました。
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